今回は、国公立大学への入りやすさだけを目的には高専に来ない方がいい、という話をしたいと思います。
高専は国公立大学への3年次編入がしやすい、ということで進路を高専にする人が、少なくとも我が子が受験した5年前には多くいました。
当時は大学入試改革の真っただ中で、先が見えない状態。
しかも私立大学の定員厳格化もあり、受験生にとってはかなり不利な状態だったのです。
実際に高専に入学すると、モノづくりをする人はごく少数で
編入の為の勉強をする人ばかりという状況が高専には広がっていました。
5年が経ち、いろいろと状況を見てきた結果、
むしろ普通高校に行った方が国公立大学に入るチャンスは広がるのではないか、と感じています。
大学入試の雰囲気自体、この5年で大きく変わったのもあるかもしれません。
私が暮らす地域の高専と同じくらいの偏差値帯の普通科高校を比べてみました。
1学年当たりの人数は200人ほどとほぼ一緒。
普通科高校から国公立大学へは毎年80人ほど。これにプラスして早慶、私立医大に進む子もいます。
純粋に国公立大学に行くだけならば、普通科高校でも十分なのです。
数学や物理、英語など研究に必要な勉強だけしていればよいです。
勉強の負担感は、普通科高校よりも軽く感じられるでしょう。
ただ興味が変わり、自分の高専での専攻と異なる学科を選んだ場合、
そもそもが受かりにくいうえに、
受かった場合でも2年次編入になることも少なくありません。
確かに普通科高校からだと、さらに難しくなるとされる共通テストを受けなければなりません。
でもこの偏差値帯のお子さんだったら、共通テストに耐えられるのではないでしょうか。
しかも今後、筑波大学や東北大学は共通テストを課さない入学方式を全面的に取り入れていくそうです。
既に共通テスト無しでも入学できる公立大学自体も出てきています。
これからますます、国公立大学自体、入学しやすい流れになっているのです。
我が子の同級生には高専での勉強内容に違和感を感じ、公立高校へ入りなおしたり、3年次修了で高専を去っていった人もいました。
あまり工学という勉強にこだわりがないならば、普通科高校への進学をお勧めします。
せっかく設備が整った高専に来るならば
「モノづくりを極めたい」
「工学の勉強を極めたい」
という方が来た方が、満足感は得やすいのではないでしょうか。
一生懸命活動や勉強をしたうえでその先に進学が待っている、
となれば高専生活自体を十分に満喫できるのではないかと私は考えています。